田村市都路の避難解除区域 -帰還をためらう人々(1)- |
都路の避難解除区域の住民の帰還が進む一方、約3割の住民は帰還を果たしていない。田村市福祉の森公園応急仮設住宅に住み続ける入居者もその一部だ。
森公園応急仮設住宅の全戸数は37戸、田村市都路の避難解除区域の避難者が入居していた。7月現在では、6世帯7人が暮らしている。その殆どが高齢者だ。5世帯は震災の前から一人暮らしだ。入居者が約6分の1に減少した仮設住宅は、当然の事ながら空き室が目立ち、かつての活気はない。
大玉村の復興住宅と同様、この仮設住宅でも、高齢者の安否確認のため、朝、本人が黄色い旗をたて夕これを取り込む、という方法がとられている。朝、旗が出ていないか、夕に取り込まれないままになっているかすると、「何かあったのか。」と人が駆けつけるというシステムだ。
住人が少なくなった仮設住宅で安否確認や孤立の防止を漏れ無く行うためには、通常の仮設住宅よりもよりきめ細かな住民サポートが行政に求められる。入居者の話では、帰還を含む、これからの生活設計や復興計画などについての行政からの説明は、今年に入ってからは無いそうだ。
ボランティアの役割も重要な要素だ。被災者は、ここに入居した当時、数多くのボランティアに励まされたという。そのボランティアの人達も、今はほとんど訪れないという。
住民の今後の生活設計も一様ではない。一般の公営住宅あるいは復興住宅に移り住もうとしている人がいる一方、この仮設住宅に住み続けたい考えている人もいる。都路町の旧避難指示解除準備区域にある自宅に帰還しようと考えている人は、ここに住み続けている避難者の中には今のところいない。除染への不信感、防犯上の不安、生活水への不信感等が帰還することをためらわせているのだ。
仮設住宅の入居者は数人に減少したが、少人数ゆえの結束があるという。今後、もう一ケ所ある仮設住宅との統合が進められるという話も漏れ聞くという。実現すれば、再び移動しなければならない。
この仮設住宅のみならず、被災者が安定して住み続ける生活環境は、いつ手に入るのだろうか。
(※このコメント記事は執筆者個人の見解であり、原発事故被害者支援司法書士団を代表するものではありません。)
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